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東京国立博物館 特別展「染付−藍が彩るアジアの器」

 東京国立博物館のサイトを見ていて少し気になった展覧会です。

 私は陶磁器に関してはまったくわからないのですが、この特別展を紹介するサイト上の「取り合わせを楽しむ」という部分に書かれている文章に惹かれました。少し長くなりますがその部分を引用しておきます。

 〈20〜30年ほど前まででしょうか、銘々皿、つまり「お父さんのお茶碗」「〜ちゃんのお茶碗」というのが、 日本の食事には当たり前のようにありました。家族であっても、自分の器以外は使わない、という暗黙の了解があり、大人になっても、結婚しても、壊れるまで大事に使い続け、持ち主が亡くなれば、人生を共にした器も割って捨てるという独特の風習さえありました。

東京国立博物館 特別展「染付ー藍が彩るアジアの器」ウェブサイト画像2

 しかし、いまでは食生活の変化、家族構成の変化にともなって、個人の器という感覚がなくなってきているようです。膳は日本人の生活空間が和室から洋室に変化するなかで、消えていったものです。

 そのうえ膳からテーブルへと様式が変わるにつれて、時間に追われる私たちは、やきものや漆、ガラスや金属といった素材、性質、風合いの異なるさまざまな器を、季節や空間に応じて使い分ける良さと楽しみまでも、忘れつつあります。〉

 確かに子どもの頃、自分のお茶碗やお椀、お箸はとても大切なものでした。お茶碗を割ってしまい新しいものを買ってもらう……。使い古したものから、新しいものに替わるのですから、子どもならそれを喜んでもいいはずです。しかし、記憶の糸をたどると、そんなときは毎日使っていた自分のお茶碗を割ってしまったことをひどく残念に思うばかりだったような気がします。そして、新しいお茶碗に慣れるまでは、ご飯の味さえもが味気なく感じられたものです。

 私たちは皆、器に愛着を持っていた当時のことを、思い出すべきかもしれません。

 そんなことを考えていると、なんとなく陶磁器の名品を鑑賞したくなってきてしまいました。

 特別展「染付−藍が彩るアジアの器」は9月6日(日)まで。詳しくは東京国立博物館のサイトをご覧ください。

2009年8月18日
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