高嶺格:とおくてよくみえない/横浜美術館
2011.1.21(金)〜3.20(日)

高嶺格:とおくてよくみえない展のタイトル画像

 本展をひと通り見て、正直「これは面白い」と感じた。

 今回は先に記者会見に参加してから展示を見たのだが、実は会見での高嶺格本人の発言からは特に感じるものはなかった。

 そんなわけで、少々油断して展示を見始めたのだが、高嶺格の作品はそんな怠惰な態度を許してはくれない。ひとつひとつの作品が、「おいおい、もっとちゃんと見ろよ。しっかり考えろよ」と語りかけてくるかのようなのだ。

 真っ暗闇のなか、プロジェクターの僅かな光が作品を少しずつ照らしながら動き回る《A Big Blow-job》では、作品のなかにある文字列を読み取りたいという好奇心が刺激された上、妙に心地よいサウンドにも絡みとられて、「うっ、ここにずっと居たい」などと不覚にも感じてしまったほどである。

 ひとつひとつの作品から「何かを伝えようという意欲」や「丹念に研ぎすまされた仕事ぶり」がひしひしと伝わってくるのだ。しかも全体的な構成にも神経は行き届いている。

 かくして冒頭の「これは面白い」という感想が口をついて出てくることになる。

 そしてもうひとつ。展覧会カタログも秀逸である。

 帯に〈『高嶺格:とおくてよくみえない』展、公式書籍〉と書いてある通り、カタログというより、高嶺格の美術家としての活動全体を解説した書籍と言った方がいいだろう。

 本文の半分ほどを高嶺格自身の文章が占めているのだが、この部分が抜群なのだ。高嶺の文章はひとことで言えばストレートである。自分の考えや作品のことなどを何の飾り気もなく表現している。それが別に何かを強く主張しているわけではないのだが、妙に説得力のある文章なのだ。

 通常は、展覧会カタログは「興味がある人が買えばいい」という程度にしか考えていないが、本展とは直接関係していない(高嶺が参加していた)ダムタイプのことや、身体障害者を扱ったパフォーマンス《木村さん》についても書かれているので、今回だけは購入を強くお勧めしておきたい。

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文責:NPO法人公共情報センター・福地敏治
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