ピラミッドをはじめとする巨大建造物をつくるには、さぞかし高度な数学と科学の知識が必要だと、誰もが考えるにちがいありません。しかし、実際にはそうでもなかったのです。
古代エジプトの測量技術がかなり高い水準にあったことは事実です。ピラミッドは、この高度な測量技術さえあれば、あとは体積と重量の計算方法を知っていれば建設できたのです。そして古代エジプトの数学が、このレベルを越えて発展することはついにありませんでした。現代の数学者たちは古代エジプトの数学理論をさほど評価していません。数学ではバビロニアのほうがはるかに発達していたのです。
数学が初歩の段階で止まってしまったこともあって、古代エジプトでは天文学もあまり発達しませんでした。この分野でもバビロニアのほうがはるかにすぐれた業績を残しています。
古代エジプトの天文学で唯一評価できるのは、太陽暦を発明したことでしょう。一年を365日と4分の1日とする太陽暦は、シリウス星とナイル川の増水の関係に気づいたエジプト人によって考えだされました。当時の1週間は10日で、3週間で1カ月、12カ月目の最後に5日を加えて1年としていたのです。